2010年9月8日水曜日

啓示空間

啓示空間 (ハヤカワ文庫SF)
アレステア レナルズ
早川書房
売り上げランキング: 190834
ハードSF+スペースオペラな作品。 ラムスクープ推進の超弩級宇宙船あり、マイクロマシンあり、人類の亜種進化あり、異星人ありの宇宙もの。ジーリークロニクルシリーズと似ているといえば似ている話。
物語は、ある辺境惑星での異星人の遺跡発掘現場から始まる。異星人たちは謎の災厄で滅んでしまっていたことが明らかになるが、その災厄とはなにかは以前不明のまま。主人公はそれを探究しようとするが、調査隊は数十年による発掘に疲れ切り、すでにいくつもの派閥に分割されていた。そして…。というところから始まり、十年スパンで話しが進んでいく。

しかし、分厚い小説の割に、内容が薄い気がしてしまう。同じ内容なら、半分くらいで書ける気がする(気がするだけかも)。作者的には驚きを設定しているつもりの展開も若干退屈に感じてしまうのは、甲殻機動隊とか、ジャパニメーションの緻密で予想を覆すドキドキに慣れてしまったからなのかもしれない。物語の終わりには結構いい感じのラストを迎えるんだけれど、プランク・ゼロ (ハヤカワ文庫 SF―ジーリー・クロニクル (1427))ならこれを短編でやっている。そこが非効率的だと感じた。

ひとつ褒められる点は、物理法則や政治体制の描写がいたってまじめで、突拍子もないワープとか、むちゃな設定が出てこないこと。全体的にキャラクターが落ち着いているのもリアリティがある。そこらへんは、プランク・ゼロ (ハヤカワ文庫 SF―ジーリー・クロニクル (1427))
のキャラよりもリアリティがある。
ちなみに、このシリーズのカズムシティ (ハヤカワ文庫SF)は超お勧め。カズムシティまで読む覚悟があるならこちらも読んでおいたほうがいい。

自分の中での評価:3:普通(5段階中)

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